habitat

2021 | Sound, NFT

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"It is a precious soundscape of an ecosystem that does not exist.

All animal chirps-like sounds were automatically generated by a unique algorithm that creates a "diversity" of sounds. (Related project → ecomimeladd.jp)

The image is a picture of the illegally dumped waste taken in a pond in Japan.

The crisis of the Earth's biosphere (which is the only one) and the need for sustainable development (for the survival of our descendants) are being called for. On the other hand, NFTs are attracting attention as they add uniqueness and permanence to their content, even though they have many technical problems.

The fictional habitat will survive with humanity as a compound of hope and anxiety of 2021.

audio format: wav, sample rate: 96kHz, bit rate: 24bit"

(実在しない生態系の貴重なサウンドスケープです。 動物の鳴き声のような音はすべて、音の「多様性」を作り出す独自のアルゴリズムによって自動的に生成されました。(関連するプロジェクト→ ecomimeladd.jp ) 画像は日本のある池で撮影された、不法に投棄されたゴミの写真です。 地球の生命圏(それは唯一のものです)の危機と持続可能な開発(私たちの子孫が存続するために)の必要性が叫ばれる一方で、NFTは技術的には多くの問題を含みながらも、そのコンテンツに唯一性と永続性を付与するものとして注目されています。 架空のhabitatは、2021年の希望と不安の合成物として人類とともに存続します。 音声形式:wav、サンンプレート:96kHz、ビットレート:24bit)

NFTに備わっているとされる「永続性」と「唯一性」という特性は、開発の「持続可能性」や地球の「かけがえのなさ」といった言説を思い起こさせる。これは日本国内の局所的な現象かもしれないが、2021年のNFTアートとSDGsの盛り上がりには奇妙な符丁を感じる。唯一無二の大地がますます危機的な状況になりつつあるとされる一方で、デジタルワールドはブロックチェーンで「稀少」なコンテンツを生成することに夢中になっている。

 

大企業が盛んにSDGsを喧伝することには胡散臭さを感じるし、NFTからはカネの匂いがプンンプンする。両者を否定する気はないのだが、どうも居座りが悪い。そうしたある種の「気分」をもとに作品を作ろうと思った。

 

ここ数年、私は動物の声の共進化をモチーフにした独自の音響生成アルゴリウムで作品を作ってきた。私はバイオフォニックな合成音を、バイノーラル収録した水音や木の葉のざわめきとミックスして、リュック・フェラーリ的な架空の音の風景を10種類作成した。それぞれのトラックはきっかり2分。私の家の近くの池で撮影した不法投棄されたゴミの写真とセットで、「NFTミュージック」として販売する。

 

写真は現実世界のいろいろな意味での深刻さを示唆する一方で、動物の声らしき音はすべて合成音であり、私たちが「自然らしい」と感じる音とはどのようなものであるかを示しているにすぎない。この作品の聴覚的な印象は、要するに「熱帯の原生林」に類する何かで、それをNFTにすることで、稀少生物や自然保護区のようなものとブロックチェーン技術の産物とを類比的に思考することが可能になる。とはいえ、このアナロジーの有効性を主張することが作品の意図ではない。NFTとSDGsは、この時代の希望とも虚妄ともつかぬものの代表として私の目に写っている。

buy(OpenSea)

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